遠野の河童たち

原美穂子





初版:1992年7月
造本:四六判上製本
本文:190ページ
本体:2000円
CODE:ISBN4-89426-507-9 C0095

 私は遠野をはなれてから40年がたっている。そればかりか今度にしても直接郷土に足を運んで河童に造詣が深い人から意見を聞いたというわけでもない。ただ先人の著書をひもといて、それを参考にして、考えたにすぎないのである。故に私にとっては河童におもいを馳せたといっても足が地につかない思考に終始していた。ところがそこに現実という心棒を与えてくれたのが、遠野の菊池春雄氏の話である。私は夜のしじまに河童たちの嗚咽を聞くおもいでこれらの話をかみしめることができたのであった。そして今までは断片的にしか伝わっていなかった遠野の河童の真相を是非書きたい、どうしても知った事実と先人喜善の書いたものを縦糸として私の推理を横糸に河童への曼荼羅を織りたいと思い始めたのである。
(本書「あとがき」より)


もくじ
はじめに

T 遠野雑記──河童の仲間たち
 1 カッパって猿のごどでがんす
 2 狐のはなし
 3 三途の川の此岸


U 佐々木喜善──遠野民話の父
 1 生い立ちと環境
 2 鏡石時代
 3 『遠野物語』と民俗学者=喜善
 4 未知の人、土俗の文学者=喜善
 5 終焉


V 河童とはなにか
 1 日本の河童伝説について
 2 河童絵について
 3 河童の起源説
 4 河童とはなにか


W 遠野の河童たち
 1 佐々木喜善の疑問
 2 遠野の河童物語の背景
 3 河童神
 4 ザシキワラシとの関係
──喜善の思惑
 5 幻想と現実と──遠野の神々
 6 終わりに──遠野の河童たちへ

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